帆船時代の世界に酔う
内陸育ちのせいか、海への憧れが昔から強い。
そこで、若き日に出会ったハヤカワ文庫の帆船小説群が、私を虜にした。
ハヤカワ文庫以外にも、ラミジ艦長物語、リチャード-デランシー物語、フォックスシリーズ等々。
風力を動力とする帆船を縦横無尽に操り、時に果敢に敵艦と戦い、時に単艦で極秘任務に向かったりするさまに心躍らせた。また操帆する水兵たちの光る汗と息遣いに共感し、劣悪な艦内の環境にも耐え忍び勝利を目指し粘り強く戦う様に心の中でエールを送り続けたあの日々。たしかに私も若かった、でもその面白さは今読み返してもいささかも色褪せない。
あの頃の感動は、一生の宝物だ。
目を閉じると、かの主人公たちと再会できる。
至福のひとときとはまさにこのこと。